理事長所信
(社)江南青年会議所
2002年度 理事長 安藤健次
(はじめに)
21世紀が始まり、誰もが明るい豊かな未来が訪れると信じ日々を過ごしています。しかし、世間では不況による会社倒産、合併、リストラ、株価の暴落、政治不信、また、青少年による犯罪や本来守らなければならない立場であるはずの大人が子供を殺傷してしまうという悲しい事件等、未来に不安を感じる出来事が後を絶ちません。時代が変化を求めているこの様な時だからこそ、我々は何かをしなければならないと思います。
青年会議所運動も戦後の荒廃の中、先輩方の熱き思いによって創設され半世紀が過ぎました。そして、様々な荒波を乗り越え先人のご尽力によって組織は磐石となり成熟期を迎えます。そして今、地域は我々に何を求めているのか、地域にとって我々はどんな存在なのか、我々は地域に何をなすべきなのか考える時期に来ていると思います。我々は決して特別な存在ではありません。我々は青年会議所メンバーである前に家庭人であり、企業人であり、市民であります。地域のひとりとして物事を捉え、考え、青年会議所を通じて地域に働きかけ、オピニオンリーダーとして活動して行く事こそが本来の姿であり基本だと思います。
(ひとづくりがまちをつくる)
小泉首相の所信表明演説の中に「今の痛みに耐えて明日を良くしようという米百俵の精神こそが、改革を推進しようとする今日の我々に必要ではないでしょうか…」という言葉がありました。幕末の越後長岡藩で大参事を務めていた“小林虎三郎”という人物のエピソードとしてクローズアップされているこの「米百俵の精神」に私は大いに共感し、この混沌とした時代だからこそ青年会議所もこの精神を理解してゆかなければならないと考えます。将来を担う子供たちの心の育成を考えた時、私たち個人として、そして大人としてどうでしょうか。「青少年の育成を考えた行動をとっているのか?」「子供たちの健全な環境を作ることに努力しているのか?」 私たちを含め親や地域の大人達も、自分の考えや行動を見つめ直し、子供たちにもっと興味を持ち、関わり接することが重要だと思います。次世代を担う子供たちに夢を語り、未来を創造し人の為になる人材を育てれば、その存在は地域にとって更には未来にとってかけがえのない財産になると考えます。勉強さえ出来れば良いのではなく、後世の人の為に役立つひとづくりが何よりも大切な事ではないでしょうか。
人々がどれだけ学び、働き、活力あるかによって、まちの良し悪しが決まる。
人こそが、まちづくりの源である。
人の為に役立つひとづくりをすることにより、まちづくりはより確かなものに近付いていきます。そのためにも我々を含め地域の全ての人が、より成熟した社会を求めていく力すなわち“人間力”を身に付けることが重要であると考えます。
(活力)
JC活動は諸事業の実践過程を通じて、自己のトレーニングをする場所でもあります。精神を修練し、肉体を鍛え、己の心を修め、更には新しい未来を創り上げていく我々が地域に対する新しいビジョンを持った時、その時こそ21世紀の活力ある時代が生まれるのです。自ら意識を持ち自己啓発と自己改革を推進し、この21世紀を活力ある時代にしましょう。
(我がまち)
まちづくりとは、そこで暮らす人が中心となったものでなければなりません。環境・福祉・まちおこしといったものを柱に素晴らしいまちを創造しましょう。そこで暮らす人達や企業、そして歴史や文化など、その地域の特性を活かした魅力あるまちづくりを考え、積極的に参加することにより活力あふれるまちづくりが出来ると確信しております。
( 和 )
青年会議所は「修練・奉仕・友情」を基本理念として、「明るい豊かな社会」を築くことを目的とする団体です。その活動の意義は、「まちを豊かにすること」だけではなく「自分を豊かにすること」にもあるのです。それに於いて「和」は必要不可欠な要素であると考えます。青年会議所活動に参加することで、より多くの友人をつくり友情を実らせることにより、自己の世界も広げることが出来ます。自己研鑚を積む中から育むことの出来る友情は、きっとかけがえのないものになるでしょう。そういった意味からも生涯の友を見つけることもひとつの大切な目的とし、例会・委員会・事業そして各種大会等へ積極的に参加することにより自分自身を高め、わかりあえるメンバーを見つけて欲しいと思います。そのためには、もっと多くの会員の各種活動への参加意欲が高まる様その向上を目指す活動も必要です。積極的な気持でJC活動に関わり、そこで得られた「出会い」はメンバー個人にとってかけがえのない財産となるでしょう。
(最後に)
地域の発展は、理想をもった青年一人ひとりの人格・品格・規準・モラルによってその運勢が決まると思います。率先して行動することを惜しまず人のために自らを費やす。そんな姿勢を持ったリーダーこそ、これからの21世紀に最も重要な存在になり得る真のリーダー像“サーバントリーダー”ではないでしょうか。
このリーダーの存在によって、周りや家族や会社が変わり、そして市政が変わり、やがてはまちそのものが変わる。その仕組はこれからの江南青年会議所の運動にとって、もっとも重要なことであるのではないかと私は考えます。
社団法人
江南青年会議所の先輩諸兄が築き上げられた歴史を忘れず、LOM全体の資質向上を念頭に活動してまいりますので、会員諸兄の暖かいご支援とご協力をお願い致します。