『想いや情報の共有』 ~魅力的な委員会運営が鍵を握る~
青年会議所は言うまでもなく組織です。また組織である以上、運営を円滑に進めていくのにはメンバー間において適切な時期に想いや情報を共有していくことが必須であると私は考えています。では想いや情報はどのように共有していけば良いのでしょうか。
ホームページの充実やメーリングリストの有効活用においては昨今眼を見張るものがあります。しかしながら、それはあくまでも付随的に充実していくべきものではないでしょうか。
委員長は自らの委員会の協議結果すなわち委員会の想いを背負って理事会議に臨んでいます。では逆にフォロアーメンバーに対して理事会議で協議されている多くの議案について提案者の想いを踏まえて正確に伝えられているのでしょうか。私は昨今どうも蔑ろにされている部分があるのではないかと感じていますが、委員長は自らのフォロアーメンバーに対して理事会議で協議されている内容や審議された案件を提案者の想いを踏まえて正確に伝える責務があると考えています。
一方通行の想いや情報の伝達の連鎖は組織における共有感や連帯感を阻害する大きな要因の一つなのです。委員会の運営においてフォロアーメンバーが組織の正確な想いや情報を知る機会を得られない事ほど寂しいことはありません。
私は想いや情報の共有のためには魅力ある委員会運営が必要不可欠であると考えています。そうすることによって委員会での協議はもとより、理事会議での協議・審議における各意見や質問、ひいては各議案についても更に実りあるものになっていくのではないでしょうか。
青年会議所の会員同士の繋がりや元気のバロメーターは委員会運営にあるとよく言われます。委員会スタッフは委員長と一体となり、フォロアーメンバーは自身の経験値やスキルを充分に発揮しその委員会の議案だけではなくLOM全体の想いや情報に関心を持って委員会の運営をしっかりと盛り上げて頂きたいと私は切望しています。
『我々の存在価値を地域に示す』 ~私たちにしかできないこと~
世の中は今、多くの諸団体で溢れています。私たちのまち江南市においても行政当局が把握しているだけで法人格を持ったNPOが19組織、法人格を取得していない任意団体を全て含めると150にも及ぶ組織がそれぞれの得意分野に特化しながら、地域協働や市民参画を訴え活動をしています。『JCしかなかった時代からJCもある時代への変化』と表現される昨今、私たちは行政や市民に対して他団体との更なる差別化、すなわちブランディング化を図る必要があります。
周知の通り、2009年度に一旦ファイナルを迎えた江南市民花火大会ですが、2010年度は行政と社団法人江南青年会議所が業務委託契約という姿をとりながら大会を継続開催する運びとなりました。『政策提言のできる組織』の構築を目指して活動してきた私たちにとって、行政から一定の評価を頂いた結果であることは大変喜ばしいことではありますが、決して大会を開催したという事実をもって満足することがあってはなりません。
一旦ファイナルを迎えるに至った経緯や、行政が今までより多くの予算、つまり税金を投じてまで大会の継続を願い、私たちに業務を委託する運びとなった理由を深く考え、今後開催を継続していくのであれば、費用の拠出の部分や日程、そして大会への市民の関わり方を含め、江南市民花火大会の理想の姿を総合的に検証する必要があると考えています。
私は社団法人江南青年会議所こそが市民と行政の橋渡しのきっかけとなるような市民参画、市民協働のモデルケースとしての真の江南市民花火大会の姿を創造することができる唯一無二の団体であると考えていますし、2010年度に江南市民花火大会を引き継いだ組織としての責務であると考えています。
青年会議所の全体事業に求められる姿は、事業を創りあげていく過程において全メンバーが一体となり、如何に多くの市民を巻き込み、如何に市民に気づきのきっかけを多く提供できるか、如何に参加した市民と私たちが達成感を得られるかという点に尽きるのではないでしょうか。このまちに住み、このまちで家業を営む私たちにとっては地域の発展無くしては私たちの発展も有り得ないのではないでしょうか。そんな気概を持って『明るい豊かな社会の構築』のために市民と共に事業を創り上げていく。そんな姿を理想像として誰一人欠けることなく全員で頑張っていきましょう。
また、地域開発の推進には青少年の健全育成のための事業は欠かせません。青年会議所には協働運動の一環として多くの素晴らしいツールが用意されています。昨今社団法人江南青年会議所においては、小学生を対象にした様々な事業展開をして参りました。本年は日本青年会議所の協働運動のツールを活用するなどして、小学校高学年、若しくは中高生を対象とした、日本古来より伝えられてきた道徳心や美しい精神文化を通じた『利他の精神』、自分たちの生まれ育つこの日本という国のアイデンティティー、メディアの報道に多くの関心を持って接する方法など、これから自立していかなければならない青少年に向けて発信し、気づきの場を提供していきたいと考えています。
組織のための組織でなく地域のための組織との自負を持って、私たちの活動を通し青年会議所運動の真意を行政や市民に発信し、多くの市民に気づきの機会を提供することこそが青年会議所のブランディングに繋がっていくのです。