『公益法人制度改革について』 ~一般格を選択する理由~
社団法人江南青年会議所では過去数年間公益法人制度改革について学び検証する機会を設け、2009年度の総会において一般社団法人格取得の方向性を承認しました。
私は青年会議所の理念や『Principle』を考えると青年会議所こそ公益社団法人格を得るに相応しい団体であると確信をしています。しかし、公益社団法人格を取得するということは社団法人江南青年会議所のように会員数が70名程度の青年会議所においては相当の覚悟を必要とする行為であると考えています。
周知の通り、一度公益社団法人格を取得した後に諸規定を満たすことができない場合の選択肢は組織の解散しかありません。
会員数の減少は総予算の減少に直結し、結果として事業費比率が減少することになります。つまり、会員数の減少傾向に歯止めが利かない場合、公益社団法人の規定を満たす場合においては事業の殆どを公益事業とする必要性に迫られることになります。私は公益社団法人格を取得するため若しくは取得した後に解散を避けるために先ず公益ありきの事業形態になってしまうことをとても危惧しています。
公益事業費比率50パーセント、私は現状においては、数値上クリアすることは充分可能であると認識しています。しかし、公益社団法人格を取得するということは、将来に対して組織の存続を含む多くの責任を負うという事実を充分に理解しなければなりません。安易に風潮に流され、公益社団法人格取得に向かうことは無謀以外の何物でも無いと考えています。
メンバーの多くが希望に満ち溢れ、明るい豊かな地域社会の構築のために自己を磨き生き生きと活動し、それに心を同じくする者が多く集う、そんな社団法人江南青年会議所の姿を確信し、充分な計画とメンバー間での意識の統一を持った後に公益社団法人格を取得することこそが社団法人江南青年会議所の『Principle』に照らし合せた時の私の結論です。
本年は、2012年度若しくは2013年度に一般社団法人格取得が円滑に進むように、平成20年度会計基準に則した対外的決算書類の導入、制度改革に伴い避けることの出来ない定款等の変更、基金など制度上の遊休財産に該当する部分の公益事業目的支出の具体的検討を行うなど、メンバーと情報を共有しつつ、実務的に変更すべき部分についての作業をさせて頂きます。
『おわりに』 ~2011年を共に歩む~
それまでの社会常識や指導者が多くを否定された敗戦後のGHQ統治下。混沌とした時代の中でこの国の進むべき道について青年が集い熱く語り、行動し、想いや理想を具現化していくための組織として青年会議所の源流は生まれ、その魂は日本中に伝播していった。創始の心には確固たる信念があった。創始の心にはプライドがあった。創始の心には壮大な夢があった。
今の時代はどうだろう。そんな創始の頃よりも私たちの周りは色々なモノや情報が溢れんばかりなのに。今の私たちには果たして創始の心に恥じない信念はあるのだろうか、プライドはあるのだろうか、夢があるのだろうか。
今一度考えてみよう。この国、このまち、自分自身、そして子供たちの未来を。
私たちは今縁あってこの組織に属し、縁あって2011年を共に活動していく。私たちが信念を持って、プライドを持って、夢を持って、問題意識を持って、常に気づきを意識して『Principle』を追求しながらこの混沌とした先の見えない社会の先頭を切り拓き自らの足で有意義に、そして何よりも楽しみながら前に進んで行きましょう。
青年会議所活動の『Principle』を端的に示す『修練・奉仕・友情』の3つの言葉があります。現在の青年会議所活動においてその3つの言葉に対する私の解釈を最後に示し、社団法人江南青年会議所第46代理事長としての所信をここに皆に伝えたい。
青年会議所活動とは
出世欲を満たすことが決して目的などではありません。与えられた色々な役割を其々が謙虚さをもって全うし、与えられた負託に対し節度ある行動をもって信頼を得られるように努める修練の場であると私は考えています。
青年会議所活動とは
個々の資質や判断力、人間力を高めることは決して最終目的などではありません。高められたスキルを如何に昇華し、私たちがどのように実社会に携わり、そして地域社会に奉仕していくかを共に考え、実践していくことによって私たち、ひいては地域社会の人たちに多くの気づきを生み出す場であると私は考えています。
青年会議所活動とは
組織に集うことのみが決して目的ではありません。地域社会で活躍すべきメンバーが協調性をもって席を同じくし、共に想いや悩みや理想をぶつけ合い議論し、共に汗を流すことによって深い友情が築きあがる場であると私は考えています。